ベートーベン弾きを中心に

ピアニストへの個人的評価4


ピアニスト

主にベートーベン弾きを演奏面から評価したものを書き連ねます。今回はソ連(ロシア)のピアニストを紹介します。
HMVとかアマゾンのページにリンク勝手に貼り付けたりしてますが彼らの回し者じゃないので・・一応。労力の問題上なので許してください_n○|||


スヴャトスラフ・リヒテル
ソ連(ロシア) 1915〜1997

20世紀最後の巨匠だとか言われていたピアニスト。豪快な演奏でありながら筋の通った非常に澄んだ音色を奏でる・・というよりは響き渡らせるといった感じのピアニスト。その音色からはすさまじく頑丈そうなごつごつした手がイメージされる。かつて西側諸国にとって鉄のカーテンに覆われていたソ連に、なにやらとんでもないのがいる、といった感じでその存在だけは伝わっていたという。逸話も多いピアニストなのだが大半はソースがまだ曖昧(私がよくしらないともいう)なので大半は割愛。死の前日までピアノに3時間向かって練習をしていたという話がある。常に音楽に真摯に向かいつづけた姿がしのばれる。

ピアノソナタ 第23番「熱情」
毎日聴くのはいかがなものかと感じるものの、是非とも一回は耳にしておきたい熱情の演奏である。私が所持しているのはライブ版でミスはけっこうあるし、録音も必ずしもいいとは思えない。にも関らずそれを補ってあまりある魅力を備えているのだ。特に第3楽章の延々とどこまでも上がりつづけるテンションを怒涛の最後で締めくくった部分などは聴衆の熱狂がそのまま自身の内にも宿ってしまうような演奏。一度はこんな演奏をしてみたい、と心底思わせられた。
私が持ってるのと同じものっぽい よくみるとレーベルはすでに倒産してる・・?(汗)ちゃんと買えるのかわからないけどみつかった唯一の一致。

エミール・ギレリス
ソ連(ロシア)1916〜1985

リヒテルと並び賞される・・というよりは比較されることの多いピアニストのようだ。リヒテルとほぼ同時期に活躍したソ連の名手であれば避けがたいことだが。あえて手元にある録音から強引に比較するならリヒテルに比べると豊かな音色ではあるがやや明瞭さを欠く(ホールやピアノに原因のある可能性もあるが)一方で抑制的に曲に向かい合っている印象を受ける。自身の確信のままに突き進んだ演奏をしているリヒテルとはここらへんが比較される部分なのかもしれない。残念なことにベートーベンのピアノソナタ全集を完成させるには至らなかったというが、自身が納得できるまで収録を拒んだという音楽家としての姿勢は評価されてよいだろう。

EMIL GILELS PLAYS BEETHOVEN
手元にあるのはライブ録音で少々音が厳しい部分もあるし、ライブでは珍しくは無いことだがミスもないとは言えない。しかし3大ソナタ、なかでも月光については優れた演奏をしている。第3楽章のできがなかなかで、やや無表情とも取れるグルダあたりの月光に比べて表情豊かな演奏。それでいて我見に陥ることのないしっかりした解釈に基づいている演奏だと思われる。熱情の録音は少々音が鋭くなりすぎていて耳に負担がかかる。もともと6枚組で3500円くらいだったので大きなものは期待していなかったが。同時にピアノ協奏曲第1〜5番、ハンマークラヴィーア、告別、かっこう、その他のピアノソナタが収録されている。全てライブ演奏。
買えるかどうかわかりませんがこちらが同じもの 海外なのでちょっと不安・・

ヴラジミール・アシュケナージ
ソ連(ロシア) 1937〜 

正統派というか悪く言えば教科書的というか、変に偏った解釈を持ち込まずまじめに曲に取り組んでいる印象のあるピアニスト。いい意味で標準的な演奏をしていると思われる(近年の演奏は一部のファンから少し物足りないと思われてるようだが)。彼の演奏を聴くというのは一言でいうなら「無難」な選択。けっきょく他の演奏も聴かないと満足できない可能性がどうしても残る。最初に聴くなら変なイメージを植え付けられないので悪くはない。 ショパン弾きとしての活動のほうが重要かもしれない。指揮者としても活動しており日本でN響相手に指揮棒を振ったりしてるようだ。

1970年代の録音あたりが無難そう。手元にはピアノソナタ28〜32番(DECCA)やピアノ協奏曲(LONDON)などがあるけど・・なぜかWEBでみつからないので情報なしです。3大ソナタはなかなかだったのですがこれは地元図書館で大昔借りただけなのでやはり情報なし。

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