8月に入っても関東地方は梅雨があけず、冷夏だというのに、連日の海外ニュース
でヨーロッパの猛暑が伝えられ、避暑地として選んだスイス地方も例外ではなく、氷
河もどんどん溶けているらしい。それでも2000mも上がれば、きっと涼しい(寒い)
はずと決めつけ、防寒着も用意したのでした。
出発前日にインターネットでスイスの天気を調べてみるとこれまでず〜と晴れマー
クだったのが、ここにきて、雨マークや雷マークが表示され、今回の行程期間中は、
ほとんど雨といった週間予報になっていた。これまで、旅行では天候に恵まれてきた
ので、猛暑でもいいからもう少し天気が続いてくれと思いつつ、今回はやばいかなと
不安になり、急遽雨具を追加しました。
■成田空港へ
出発当日は、スイスどころか、こちらが、朝からどしゃ降り。自宅から最寄り駅ま
でほんの数分なのですが、スーツケースを転がしての移動でずいぶん濡れてしまいま
した。成田空港までは、いつもどおり京成上野駅まで行き、そこからスカイライナー
ではなく特急を利用するパターンですが、今週は、お盆休みの会社が多いらしく、金
曜日の通勤時間帯でしたが、自宅最寄り駅からずっと座っていくことができました。
空港に着く頃は濡れた足下もすっかり乾きましたが、外はまだ雨が強く降り続いてい
ました。
シンガポール航空の発着は、空港第1ビルですが、混雑時期を少し過ぎているのか
8月中日の夏休みにしては閑散としていていました。CASツアーから送られてきた
航空券引換え証を持って、指定のカウンターに行き搭乗手続きを済ませると、11時
30分の搭乗時刻まで2時間近くあったので、空港ラウンジで過ごしました。
出発案内を確認すると、搭乗するシンガポール航空SQ997便シンガポール行き
は、12時ちょうど発で予定どおりの運行
です。機材は、B747−400でした。
ラウンジで一息いれ、11時半ごろ出発
ゲートに向かいましたが、ここには乗客が
あふれており、搭乗待ちの長い列ができて
いました。いつも思うのですが、指定席な
のにどうして皆並ぶのでしょうか。不思議
です。少し混雑が緩和するのを待って機内
に入り、席に着きました。ヨーロッパまで
長い道のり。まずは、シンガポール・チャンギ空港までの旅の始まりです。
■シンガポールへ
空港内の装いとは裏腹に、機内は、ほぼ
満席で、定刻の12時に雨の成田空港を離
陸しました。今回も、もちろんエコノミー
席の利用ですが、シンガポール航空の機材
は、全席に個人用テレビがあり、また微調
整可能なヘッドレストやフットレストも装
備されていました。シンガポール航空は、
2000年には、ベストエアライン賞を受け、
日本でも高く評価されているようです。
最近は、各社エコノミー席でも個人用のテレビを装備しており、国際線の長旅には
歓迎すべき事です。
離陸後、まもなく熱いおしぼりが配られた後、ドリンクのサービスとなりました。
メニューには、通常のアルコール類とソフトドリンクの他「シンガポールスリング」
という名のオリジナルカクテルがあり、説明
によるとラッフルズホテルで誕生した飲み
物だそうです。さっそく、ものはためしで
注文してみました。ジンベースのカクテル
にライムジュースなど様々な果汁でわった
ものですが、なんとも微妙な味で、まあこ
んなものかという感じでした。それ以降は、
やはり飲み慣れたビールか無難な白ワイン
を注文しました。
ちょうどいい気持ちになってきたころ、
いよいよ食事(昼食)が配られ始めました。
洋食と和食が選べましたので日本発(=日
本製)ということで和食をお願いしました。
和食は鮭のゴボウ巻と冷たい麺(ひや麦)
です。ちなみに洋食は鶏肉のクリームソー
ス和えとピラフのようです。味の方は、特
別期待はしていませんが一応無難にまとま
っていました。
また食後のデザートでは、エコノミークラスとして
は珍しく、ちゃんとしたアイスクリームが付いて来ま
した。このへんが人気をよぶ一面でしょうか。機内の
室温が冷えていたせいか、味は良かったのですが、私
にしては分量が多かったなー。アイスクリーム好きな
人は、在庫があればお代わりもできるようです。
日本を離れ、大きな揺れもなく順調な飛行を続け、
7時間後の午後6時(時差−1時間)に定刻どおり、
シンガポール・チャンギ空港に到着しました。スイスまでの道のりは、まだまだこれ
からです。
|
■乗り継ぎ
シンガポールからの空路は国土面積からしても国内線はなく、チャンギ空港は、すべてが国際線となります。到着したのは、シンガポール航空が主に使用しているターミナル2側でした。ターミナルビルは1と2があって、その間はトラムで接続されています。無人運転で乗客がいないときは、エレベータ同様停止したままなので、トラムを利用するときは乗り場にある「呼び寄せボタン」を押す必要があります。
このチャンギ空港には、免税店、レストラン、ラウンジ、ホテル、休憩所等が機能的に整っており、ここ自体がひとつの街といっても過言はないくらい施設が充実しています。
成田空港でチューリッヒまでの乗り継ぎについてもチェックイン済みだったので出発時刻とゲートを再確認したあと、乗り継ぎ時間が3時間あまりあったので、ターミナルビル1側に行ってみました。ここにはローカルフードコートがあり、めん類が美味しそうだったのであっさりした温かいスープの米麺をいただきました。本来は、乗り継ぎ時間を利用して無料でシンガポールの市内観光ができる「フリーツアー」の
午後7時発、最終に参加する
予定だったのですが、ツアー
時間が午前9時〜午後5時に
変更になっており、すでに本
日分は終了していました。
フリーツアーは、3時間以上
の乗り継ぎ客へのサービスで
シンガポールの主要観光スポ
ットを1時間くらいで回るも
のだそうです。チューリッヒ
への出発時刻まではまだ余裕
があったので、空港内にある
トランジットホテルのプール
施設に行ってみました。ホテ
ル客でなくてもプールだけの
利用も可能です。こじんまり
としたプールですが、一応ジ
ャグジーもあり料金は9USドルでした。運動不足の解消をかねてちょっと時間をつぶすにはいいでしょう。もちろんシャワーや着替え室、ロッカーなども整っています。
そうこうしているうちに、出発時刻もせまり、チューリッヒ行きのSQ346便の出発ゲートへ向かいました。
|
■チューリッヒへ
搭乗したSQ346便もほぼ満席に近く、
定刻の午後11時55分に離陸しました。
ほどなく飲み物と食事が運ばれた後は深夜
ということもあり、機内は消灯され、しば
らく映画を見ていましたが、そのうちに眠
ってしまいました。
次に照明がついた時には、もうヨーロッ
パ付近で6時間くらいは熟睡したようです。
シンガポールとチューリッヒとの時差は、
−6時間(夏時間)、日本との時差は−7時間。腕時計の時間を戻すと、朝の4時で
した。到着まであと3時間弱です。周りも少しずつざわつきはじめたころ、朝食が配
られてきましたが、まだ眠っている人もずいぶんいるようです。あまり食欲はなかっ
たのですが、目をさますため少し食べる事にしました。
外を見るともう明るくなってきており、やっとチューリッヒへも目前となりました。
気になる天候ですが、上空からはよく分かりませんが、機内のアナウンスでは「あい
にくの天候で雨」と告げられました。やはり事前の天気予報どおりか。
機体は徐々に高度を下げ、あつい雲の下に出たとたん窓には雨の水滴がしたたり、
残念ながら悪天候を実感しました。飛行機は予定時刻より若干早く、午前6時20分
にスイス・チューリッヒ、クローテン国際空港に到着しました。
成田空港から延べ19時間30分の飛行でした。