■チューリッヒ市内へ
やっとスイスに足を踏み入れました。時差の関係と乗り継ぎの関係で、初日の移動
日(昨日)はずいぶん長い1日でした。到着時刻が早いせいかクローテン空港に人は
少なく、イミグレーションでもパスポートを見せただけで、あっけなく入国できまし
た。スタンプも割愛されています。
とりあえず空港到着ロビーにあるクレデ
ィー・スイス(CREDIT SUISSE)銀行でスイ
スフランに両替し、チューリッヒ市内へ出
るため、空港地下にある鉄道駅に向いまし
た。案内標識も分かりやすいので初めてで
も迷う事はありません。列車に乗る前に、
まず乗車券の代りになるスイスパスのヴァ
リデイト(使用開始手続き)を行う必要が
あるので窓口に行きました。ここで
買ったままのスイスパスとパスポー
トを渡すと有効期間とパスポートナ
ンバーを記入してくれます。
次にスイス鉄道(SBB)では、
スーツケースの駅間輸送をしてくれ
る便利なサービス(ライゼゲペック)
がありますので、本日の宿泊地の最
寄り駅であるインターラーケン東駅を指定してスーツケー
スを預けました。料金は、1個あたり10chfときいてい
たのですが、15chfとられました。この後も何度か利用
しましたが、これ以降は、10chfですみました。距離と重
さで料金が変わるのかもしれません。いずれにしても旅行
者にとっては大変便利なサービスです。
身軽になったところで、さらに地下のプラットホームに
降りました。スイスでは改札はなく列車内で検札する仕組
みとなっています。事前にいろいろ仕入れた情報では、車
内検札もめったに無いとの事でしたが、列車の種別に関わ
らず道中すべての列車で車内検札を必ずや
っていました。空港からチューリッヒ中央
駅までは5〜10分間隔くらいで電車が出
ており、ホームに降りた時もちょうど列車
が着いたところで、急ぎ乗り込みました。
結構、混雑していましたが何とか席を確保
し、やれやれと一息ついたところで、まも
なくチューリッヒ中央駅に到着。乗車時間
は10分くらいのものです。
右も左も分らないまま、人の波にそって
長いホームを進んで行くとホームの端が、
コンコースになっており、さらにその向こ
う側のアーケードをぬけたところが外で、
交通量の多い表通りに出ました。空はなん
と明るくなってきており陽が差しはじめま
した。雨も覚悟していただけに感激です。
■チューリッヒ市内
スイスの主都はベルンです
が、空の玄関口と商業の中心
地は、このチューリッヒで、
スイス一の大都会です。特に
駅前から南にのびるバーンホ
フ通りは多くの商店が立ち並
び活気に満ちていました。
風格のある駅舎と路面電車、
石畳を見るとヨーロッパ都市
に着た実感がわいてきます。
スイスパスで乗り物にも乗れるのですが、
天候も回復してきたので、少し歩いてみる
事にしました。
少し行くと右手に芝生の美しいペスタロ
ッチ公園があり、その中央には、チューリ
ッヒ生まれの教育者であるペスタロッチ像
が建てられていました。こじんまりとした
公園ですが、ちょっとした、いこいの場所
になっているようです。
チューリッヒ市街は、チューリッヒ湖に
そそぐリマト川によって2分されています
が、その川辺に市街を見渡せる高台「リン
デンホフの丘」がありますので、そこを目
指します。
バーンホフ通りからさらに進んで行くと
石畳の美しい小道(Rennweg通り)があり、
そこを抜けて行くと、丘への入り口に達し
ます。小さな小道もよく整備され、清潔に
保たれているのに感心しました。
小道を上りきるとやがてリンデンホフの
丘にでました。爽やかな空気が気持ちよく、
ゆっくりと深呼吸すると、これまでの移動
の疲れが一度に癒されました。少し上がっ
ただけなのに、ここからの眺望はすばらし
く、下にリマト川、向こうには、駅前の繁
華街とは違った、趣のある旧市街が広がり、
プレディガー教会やチューリ
ッヒ大学も、よく見渡せます。
ちょうど午前9時になり、
どこからともなく鐘の音が響
いて、とても情緒がありまし
た。しばし、ベンチに腰をお
ろし異国の景観をゆっくり楽
しみました。
リンデンホフの丘の先を今
度は下っていくと狭い通りの
奥に聖ペーター教会が見えま
した。
チューリッヒでは最も古い
教会で、時計の文字盤は、
ヨーロッパ最大(直径8.
7m)だそうです。
教会内の見学もできました。
このあたりは、高低のある
石畳の路地が入り組んでおり、
パン、おもちゃ、食品、雑貨な
どの小さなお店がたくさん並んでいます。
朝だったので、まだ開店前ですが、看板か
らするとビアホールもいくつかあるようで
す。周囲に目をうばわれながら元のバーン
ホフ通りにもどると、そこは大きな交差点
になっており、地図をみるとパラデ広場と
なっていました。
チューリッヒ湖を目指し、バーンホフ通
りをさらに南に下ると、手前のビュルクリ
広場に露店がたくさん出ていました。フリ
ーマーケットのようです。美術品、骨董品、
アクセサリーのお店がほとんどです。真空
管を使用した蓄音機やラジオ付きテープレ
コーダーなど私の気を引くものもたくさん
ありましたが、なにせ旅行道中持って歩く
わけにもいかず断念しました。
(結構、格安で掘り出しものがあったなー)
広場の前の通りを渡ると、そこはもうチューリッヒ湖です。遊覧船を見送る人や土
曜の朝という事もあり、オープンカフェでくつろいでいる人、ジョギングを楽しんで
いる人達を見受けます。
さて、チューリッヒでぜひ観賞したいと楽しみにしていた、聖母聖堂(フラウミュ
ンスター)に向かいます。ここには、あのシャガールが1970年に描いたステンドグラ
スがあり、自由に見学する事ができます。
聖母聖堂へは、ビュルクリ広場からリマト川沿いに河岸通りを行くと、まもなく左
手に聖堂の時計塔が見えます。
重い扉を開けゴシック様式の堂内に入ると、すぐ左側にある聖堂に縦3面のステン
ドグラスが組み込まれ色鮮やかに輝いていました。青を基調にしたもの、緑を基調に
したもの、黄色を基調にしたもの、それぞれ何とも言えぬ可憐な色調です。
あまりにも自然な状態で見る
事ができたので感激です。
静まりかえった堂内に柔らか
な光がそそぎ、しばし言葉を失
ってしまいました。
聖母聖堂の前のリマト川にかかるミュン
スター橋を渡ると、二つの塔を持つ大聖堂
がそびえています。
こちらの塔へは階段で登る事ができます
ので頑張って上がってみました。(2chf)
上からは、チューリッヒ湖から新市街の
ほうが見渡せリンデンホフの丘とはまた違
った景観を楽しめました。
また、大聖堂の地下では、カール大帝の
石像も見る事がきます。
大聖堂から北側に、中性の趣きを残す旧
市街地域が広がっています。川と並行に伸
びるニーダードルフ通りがメインの通りで、
このあたりには、個性的なお店やカフェテ
ラス、レストランなど軒を並べ、魅力的な
エリアとなっています。きっと夜おそくま
でにぎあう事でしょう
そろそろ昼ちかくで、テラスではビール
ジョッキを傾ける人達も見受けられ、私も
思わず、席につき、冷えたビールを注文。
ノドを潤しました。うまいー。
最終日は、チューリッヒ泊りでまた戻っ
てきますが、今日はこれくらいで、一旦チ
ューリッヒを後にします。橋を渡って中央
駅までもどり、次はベルンに向かいます。
おっと、ベルンまでの道中、車内でランチ
にするため、駅前で、ソーセージとフレン
チフライを調達。準備OKです。
ベルン行きの列車は、11時34分発、
IC特急で15番ホームでした。ホームコ
ンコース寄りは、1等車で、少し奥まで歩
いて行くと2等車両になります。2階建て
だったので、2階側の適当なところに席を
確保しました。スイス鉄道の特急車両は、
清潔で、トイレも完備され、自転車の専用
スペースもあって機能的でした。
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■ベルン
チューリッヒから特急で1時間。スイスの首都ベルンに到着です。1983年に美しい旧市街がユネスコ世界遺産に登録されました。ベルンの街は、アーレ川に囲まれるように広がり、その中心に、噴水や時計塔のある大通り(シュピタル通り/マルクト通り/クラム通り)が伸びています。チューリッヒとはまた違った中世の重厚な趣きが
漂っています。
中央駅から、シュピタル通り
に出ると、まず目につくのが、
正面にそびえる牢獄塔です。
そして、その手前にバグパイプ
吹きの噴水が道路中央に建てら
れています。ベルンのシンボル
のひとつが多数の噴水ですが、
その多くはこの通り沿いに建て
られています。見落とさないよ
う地図を参照しながらチェック
していきました。
牢獄塔をくぐるとマルクト通りに変わり、すぐにアンナ・ザイラーの噴水(写真左)、そして次に射手の噴水(写真右)と続きます。噴水といっても上から水が出るのではなく台座付近のノズルから水が流れていました。また台座の周囲には、花が植えられ、よく手入れされています。
さて、射手の噴水の先には、ベルン一のシンボル、時計塔が現れます。ベルン市街の中心に位置し、見るからに存在感のある立派な建造物です。
天文時計は、仕掛け時計になっていて毎正時の数分前に人形が動きだします。
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時計塔の脇には、こんどは、ユニークな
形をしている
食人鬼の噴水がありました。
それぞれの噴水にはどんな意味があるので
しょうか。
時計塔から先は、クラム通りとなります
が、この通りにも
ツェーリンガー噴水、
シムソン噴水、
旗手の噴水、
正義の女神の
噴水と続きます。また、このクラム通りに
は、うっかりすると見落としそうですが、
1905年に相対性理論をうちたてたアインシ
ュタインが住んでいた家もあります。
クラム通りからゲレヒティクカイト通り
につづき、ニューデック教会を回りこむと
アーレ川にかかるウンタートーア
橋にでます。教会ではちょうど結
婚式があるようで、新郎、新婦の
まわりを参列者が取り囲み華やか
な雰囲気が伝わってきました。
橋を渡ると、もう緑に包まれた
郊外となります。このあたりから
丘陵地帯となっており、丘につづ
く道を登り切るとベルンを一望で
きるバラ公園にでるはずです。
わりと急な坂にくわえ、気温も
ぐんぐん上がり、汗が吹き出てきました。
ヨーロッパの猛暑はまだおさまっていない
ようです。
とにかくバラ公園を目指して、登り続け
るとようやくレストハウスが見えてきまし
た。まずは、席につき休憩です。注文は、
やはり冷えたビールしかないでしょう。
一息ついて、ふとベルン市街の景色に初
めて目を向けた瞬間、一瞬息がとまりまし
た。すばらしい眺望です。さすが、世界遺産と思わせるに値するものでした。ここま
で来てよかった。この中を歩いてきたわけですが、通りからでは想像もつかない街並
みが目の前に広
がっていました。
これだけの都会
でありながら、
保存の良さに、
あらためて感心
させられます。
時間が止まって
いたかのように、
そこは中世その
ものでした。
時期が、少し
ズレでいるのか
バラ公園のバラ
自体は大した事はありませんでした。
もと来た道を下ったところに観光センタ
ーがあり、ここでは、ベルンの歴史や町の
紹介を上映していたので観賞しました。20
分程度の内容です。プロジェクターに加え、
ちょっとした仕掛けや街のミニチュアを使
っての紹介で、分りやすいように工夫され
ていました。時間によって英語、ドイツ語、
フランス語での解説になります。この時は、
日本語の時間割りはありませんでした。
中には、ちょっとしたお土産や売店も併設
されています。また、観光センターの建物
のとなり(外)には、
熊、数匹を囲ってい
る「熊公園」もあり、子供の人気を集めて
いました。これらすべて無料の施設です。
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観光センターをあとにして、アーレ川を渡り、中央駅に少しずつ戻って行くことにします。こんどはニーデック橋からメイン通りの1本南側のユンケル通りを歩きました。この通り沿いには大聖堂があり、通りからすぐその尖塔が見えます。ベルン大聖堂の尖塔は、スイスでは一番高いそうで、バラ公園からの眺望でも、ひときわ目立っていました。この通りは、1本離れているだけなのに車も人通りも少なく、静かで落ち着いた雰囲気の中を歩く事ができました。石畳みもよく掃除されていて清潔で気持ちのいい道です。
大聖堂の塔の高さは、100mで、入場料を支払って登る事もできます。
正面には、「最後の審判」の彫刻が精細にほどこされ幻想的なイメージが伝わってきます。
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大聖堂内では、15世紀に造られた見事なステンドグラスを見る事ができます。
大聖堂からさらに、西へ(駅方向へ)進
んで行くと立派な連邦議会議事堂に着きま
すが、その裏手にある
テラスが、ちょっと
した見晴らし台になっていて、アーレ川の
向こう側に広がる南側の郊外がよく見えま
す。このあたりは高台になっているため、
下町との交通としてかわいい
ケーブルカー
が走っていました。
さて、いよいよ本日の宿泊地、インター
ラーケンへ向かいます。シュピタル通りに
出れば、もうベルン中央駅です。
午後4時26分発、インターラーケン・
オスト(東駅)行きの特急に乗ります。
1時間弱の移動です。
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30分ほど郊外を走ったあと、進行方向左手にトゥーン湖が見えてくれば、もうベルナーオーバーラント地方です。時間は午後5時を回っていますが、まだ日中の日差しです。湖畔の駅にいくつか停車し、やっとインターラーケン西駅に到着しました。インターラーケンの町は、この西駅と東駅にかけて開けていますが、中心地は、西駅よりのため大半の乗客はここで下車しました。予約したホテルは、東駅寄りなので、次の終点まで行きます。
駅に到着後、朝チューリッヒ空港駅で預けたバッゲージの引換証を持って、駅舎でスーツケースを受取りました。間違いなく届いていました。
今日予約したホテルは、DU NORDで、駅からメイン通り(ヘーエベーク)を歩いて5分ほどのところです。表通りに面し交差点の角なのですぐに分りました。こじんまりとしたヨーロッパ系のホテルでフロントも家庭的な雰囲気です。改装したてなのかすごく綺麗な部屋でした。西駅付近の中心部から少し離れているせいか環境も静かで、大変気に入りました。
デュ・ノール(DU NORD)
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